当院におけるセルフケアのあり方~フィットネスで楽々セルフケアを~
フィットネスといえば、「鍛えるところ」、「筋トレを行うところ」、「アスリートがトレーニングを行うところ」などというイメージはありませんか。
元来、フィットネスとは「体力」を表し、心身が健康的な観点から、それらが望ましい状態にあること、またはそれを目指す行為や行動の事を指します。
その為、「フィットネスは鍛える場所」ということもある意味間違っていないかもしれませんが、上記したように「フィットネス」は心身の健康的な観点からの行為や行動のこと事を指しますので、本来は老若男女問わず誰もが気軽に利用できる施設が望ましいと考えます。
日本でも珍しい施設ですが、私が「作業療法士」というリハビリテーション資格(医療国家資格)を持っていることもあり、医学理論や経験などからカラダを良い状態になるには、施術も大事ですが、常日頃の運動や食事などの良い習慣が大事だと考えることがあり、医科学的な観点からもっと気軽に、短時間で、かつ誰でも無理なく健康的な状態を得ることができる施設を作りたいと考えた結果、整体とフィットネスジムがある現在のリブレボディのカタチが出来上がりました。
簡単にいうと、整体などの施術でカラダをしっかり分かってもらっている人が運動指導させて頂くことによって、よりご自身の症状や要望にあったリハビリのよう形でコンディショニング(運動や健康対策)が可能なところが、リブレボディをご利用頂く一番のメリットになります。
以下の項目に当てはまる人は、
☑動くと痛みがあるから、運動を控えている
☑短時間しかないけど、しっかり運動を続けたい
☑運動をするように言われるが、どんな運動をどれだけすればいいか分からない
☑緩やかな動作のレッスンを受けたい
☑傷病持ちだから、一般的なフィットネスが利用できなかった
当施設のフィットネスについては、日本でも数少ない健康増進複合施設ですので、その重要性と利便性、またその効果などを簡潔にご説明したいと思います。
特に、以下の項目に当てはまる人は、リブレボディでの健康対策がおすすめです!
ぜひ最後までお読みください。
国家をあげた健康促進対策の実施・推奨
2013年、厚生労働省は、国民のライフスタイルの変化などによって、がんや認知症、また生活習慣病、更にはロコモティブシンドロームの予防や健康寿命の延伸を目的に「身体活動基準2013」が策定しました。
2020年にはWHOから、適度な身体活動がさまざまな非感染性疾患に罹患するリスクを低下さたり、身体不活動が非感染性疾患罹患や高齢者の虚弱の危険因子であることが日々さまざまな研究によって明らかにされたこともあり、身体活動は生活の質を高めたり健康寿命を延ばすことから、身体活動の推進は国民健康づくり対策における主要な柱の一つと考え、日本においても健康活動について調査・再考する必要があったようです。
その結果、2023年には、産業の機械化・自動化による活動不足をはじめ、運動への啓発や運動を行う環境整備が不十分であったことなどから、国民における「日常生活における歩数」や「運動習慣者の割合」は横ばいから減少傾向を示していたことがあり、厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が改訂・発表し、運動などの健康推進活動を強く勧めました。
そこには、ライフスタイルやライフステージに合わせて、より行動しやすいよう、子ども・成人・高齢者の世代に分けて、より具体的で専門的な推奨事項がまとめられていますので、まだ見られていない方は是非一度ご確認ください。
トータルコンディショニング施設 リブレボディ
2015年4月にリブレボディがトータルコンディショニング施設としてオープンし、はや10年の月日が経ちました。
その間、現在までで当施設を利用される方は様々で、日本代表などのトップアスリートをはじめ、医療専門職や、幼稚園児~100歳を超える方と老若男女問わずご愛顧していただいております。
そもそも「コンディショニング」という言葉にあまりなじみがない方もおられるかもしれませんが、パフォーマンスをより良く発揮することや、健康維持を目的に、運動(活動)・栄養取・休養(静養)などの観点から心身の調子を整えることを「コンディショニング」といいます。
当施設においても、医科学的な観点からもっと気軽に、短時間で、かつ誰でも無理なく健康的な状態を得ることができる施設であることから、ご自身でできないコンディショニングとして「整体」、またご自身でできるセルフケアをより良く確実に短時間でできるよう「フィットネス」を構えたトータルコンディショニング施設として運営を行っております。
それによって、上記の質問で挙げた
☑動くと痛みがあるから、運動を控えている
☑短時間しかないけど、しっかり運動を続けたい
☑運動をするように言われるが、どんな運動をどれだけすればいいか分からない
☑緩やかな動作のレッスンを受けたい
☑傷病持ちだから、一般的なフィットネスが利用できなかった
といった具合に、運動に対して抵抗がある方でも簡単に健康対策やリハビリが行える施設になっています。
当院の主な運動機器として、
- PowerPlate(パワープレート):3D高速振動マシーン
➡NASAの宇宙飛行士が無重力環境で衰えた筋肉・骨密度を回復させるために開発・採用され、3D高速振動により、筋肉トレーニングや日常生活ではあまり使用されない筋肉をも活性化することができる(全身の筋の約95%以上を同時に刺激)だけでなく、10〜15分乗るだけでジムの1時間分に相当する高いトレーニング効果が期待できるため短時間で高い運動効果を得られます。筋トレはもちろん、血行促進や、筋肉をほぐすことで疲労回復や慢性的な痛みの軽減が期待できます。
- Hogrel(ホグレル)
➡初動負荷理論を用いた運動機器で、従来の筋肉トレーニングのような高負荷での筋力・筋量の増加を目的として行うトレーニングではなく、Hogrelは軽い負荷で神経や筋肉の機能向上を目的とする楽々トレーニングになります。
当機器の運動で、神経・筋機能(相反神経支配、反射)の促進、血流や代謝の促進、老廃物の除去、身体の歪みの矯正、関節や筋肉、そして精神的なストレスの除去等で優れた効果が発揮され、様々な疾病、故障予防・改善に役立つと考えられています。
- SD療法シリーズ(スパインダイナミクス療法)
➡ 痛みは背骨と骨盤の影響を受けやすいことから、それらの異常が頭痛や、腰痛・肩こりなどの慢性疼痛や自律神経症状など引き起こすと考えられています。現代は仕事の疲れや睡眠不足などの日常生活の負担が大きく、それらによって脊柱の湾曲が崩れる傾向にあり、様々な症状や疾病を生み出しやすい環境であるため、運動が重要ですが、強いゆがみが生じている状態ではご自身で運動することも厳しくなります。その為、ご自身でも簡単に脊柱や胸郭などの運動がより効率的に行えるようSD療法シリーズを導入しました。
これらの機器を用いたトレーニングを実施することによって、
〇骨密度の改善
〇体組成の改善(肥満、筋肉量など)
〇ストレッチ効果増大
〇循環の改善
等が期待できることから、
◎糖尿病の運動療法(血糖コントロールなど)
◎脂肪肝の改善
◎前十字靭帯再建術後の回復促進
◎アンチエイジング・美容
◎高齢者の転倒予防・筋肉量増加(フレイル対策)
◎疼痛緩和と治癒促進
◎アスリートの高水準なパフォーマンス管理
などを目的として当施設をご利用いただくことが可能です。
当院は整体を施す施設ですが、フィットネスジムも併設しており、ご契約者は営業時間内であれば、制限なくご利用頂けます。
当施設のコンディショニングは、医科学的な観点からもっと気軽に、短時間で、かつ誰でも無理なく健康的な状態を得ることを可能にします。
特に傷病によりご自身では運動が難しい、また頑張っているけど結果がでない、まとまった時間が取れないといった方にはおススメです。
アスリートのコンディショニングはもちろん、
<ボルタリング>ボルタリング選手 末澤結衣(2024~)/2025日本代表
<フットサル>コスモJNE/インドネシア ナカマツルアン(2024~)/フットサル日本代表(2023・2025)
様々なご症状にケア(整体)もお任せください。
PowerPlate(パワープレート)研究結果集 その1
【パワーブレートトレーニングは骨を形成する】
試験によると、パワープレートを用いたエクササイズが骨粗鬆症の解決策になる可能性がある。
パワープレートは閉経後女性において骨ミネラル濃度を増大させ、筋力・筋パワーを向上し、脂肪減少を促す。
本稿は Journal of Bone and Mineral Research Vol. 19 (3), 2004 で発表された試験の要約である。
Sabine Verschueren, Machteld Roelants, Christophe Delecluse, Stephan Swinnen, Dirk Vanderschueren &Steven Boonen, Katholieke Universiteit Leuven, Belgium
閉経後女性における6ヵ月間の全身振動トレーニングの股関節部骨密度、筋力および姿勢制御に対する効果: 無作為化比較パイロット試験
<結論>
パワープレートトレーニングは閉経後女性において股関節部骨密度の有意な増大 (1.5%) のほか、筋力の増大と姿勢制御の改善をもたらす。
以上の結果は高齢化社会において悪化し続ける問題、骨粗鬆症、姿勢制御とバランスの低下、回復が困難かつ不十分となる転倒による骨折に対して興味深い解決策を示している。
われわれは世界の平均年齢の上昇に伴う骨粗鬆症の蔓延に直面している。 米国では毎年150万人以上が骨量の早期減少による骨折を経験している。 女性の3人に1人、男性の8人に1人が今年骨粗鬆症を患うと予測されている。米国では280万人の男女の骨量が減少している。 そのうち100万人はすでに診断されているが、 残りの180万人は骨の完全な再形成ができなくなっていることに気づいてもいない。
パワープレートトレーニングに関する初の試験で、被験者の筋力の増大が示された。 パワープレートは1秒間に30~50 回の無意識の筋収縮を引き起こすことから、台の上に立っているだけでパワートレーニング効果が促進できる。
<3つの試験群>
年齢58~70歳の閉経後女性90 名を3群に分けた。
➀パワープレート群は1回30分以下のトレーニングを週3回行い、スクワット (この動作によって椅子に座ることが可能になる) およびランジといった大腿部および股関節部の静的および動的エクササイズを行った(図3)。
②従来型ウエイトトレーニング群はウォームアップとクールダウンを含め、1回約1時間のトレーニングを週3回行った。
③対照群はトレーニングを行わなかった。
<結論>
パワープレート群では良好な結果が得られた。 大腿筋の筋力が16% 増大し 股関節部の骨密度は 1.5% 増大した。 さらに、 パワープレート群は姿勢制御とバランスの改善を示した。 筋力と除脂肪体重が増えた一方、体脂肪率および脂肪重は減少した。 従来型トレーニングを行った被験者も骨量減少速度を抑えることができ、これはウエイトトレーニングと骨量減少に関して発表された研究の結果と一致している。 対照群の被験者では平均的な速度で継続して骨ミネラル濃度が減少した。
<パワープレートの用法>
パワープレート群は大腿部および股関節部に対する静的(静止して行う) および動的 (動いて行う) エクササイズを含む30分以下のトレーニングを行った。パワープレートトレーニングの変数は最低レベル (最も簡単) で開始し、次のようにレベルを上げた。
・エクササイズの持続時間を増やす。
・エクササイズの回数を増やす。
・エクササイズ間の休憩時間を短くする。
・周波数を35 Hz から 40 Hz に上げる。
・振幅を 「Low」 から 「High」 に上げる。
従来型ウエイトトレーニング群は、 従来型のウエイトトレーニングをウォームアップとクールダウンを含めて1回のセッションで合計1時間行った。
図3
ディープスクワット
ランジ
結論:
パワープレートトレーニングは、
・骨ミネラル濃度を増大させる。
・骨量減少を回復させ、 骨粗鬆症を解消する実行可能な解決策である。
・多くの人々の転倒および骨折の予防に有用な身近なトレーニングツールである。
・筋力を増大させる。
・バランスと平衡を向上させる。
・姿勢を改善する。
・脂肪の減少を可能にする。
・健康を増進する。
当研究によって、パワープレートでのトレーニングは、
小さな負荷で快適かつ安全に短時間で実施できるパワープレートトレーニングシステムは、 あらゆる人々がパワープレートの上で立つだけで筋力と筋パワーのトレーニング効果をもたらす可能性が示唆されました。 パワープレートトレーニングなら30分以下のトレーニングでも週3回行うことで、だれでも筋力の向上、脂肪の減少、バランスと反射の改善、骨密度の向上を達成でき、 健康増進にもつながるという結果になりました。皆様も「運動ね…しないといけないけど」などと悩む前に一度試してみてはいかがでしょうか。
PowerPlate(パワープレート)研究結果集 その2
パワープレートトレーニングはレジスタンストレーニングを強化して体組成を更に改善させる
これは、米国オクラホマ大学の Cecilie Fieldstad、 lan Palmer, Michael Bemben、 Debra Bemben が国際科学雑誌Maturitas (2009) に発表した研究のまとめである。
<結論>
- 高強度レジスタンストレーニングプログラムへのパワープレートの追加によってレジスタンストレーニング単独より体脂肪率が大きく改善された。
- どちらの運動群でも8ヶ月間トレーニング後にbone free lean tissue mass (BFLTM)(※1)が増加した。
(※1)bone free lean tissue mass (BFLTM) とは、骨の重量を除いた、筋肉、内臓、水分、タンパク質などの「除脂肪組織」の質量のことを指す。
<緒言>
体組成が年齢に応じて変化することはよく知られており、これらのうち最もよく認められるのは脂肪量の増加と筋肉量の減少である。 本研究の目的は、 全身振動と標準的な高強度レジスタンストレーニングプログラムの組み合わせが閉経後女性の体組成に及ぼす効果を明らかにすることである。
<方法>
55名の閉経後女性を3群に分けた。 第1群 (RG 群) はレジスタンスプログラム単独 (RG) を行った。 RG は、8種類のレジスタンスエクササイズ (レッグプレス、ヒップフレクション/エクステンション、ヒップアブダクション / アダクション、 シーテッドミリタリープレス、プルダウンおよびシーテッドロウ)を最大挙上重量(1-RM) の80%で10レップ3セット行うものである。 1-RMは1レップに全可動域で挙上した最大重量を確認して求めた。 4 週間ごとに 1-RM の再評価を行い、 80% 1-RM 強度を維持できるように負荷を調整した。
第2群(PP群) は同じレジスタンスエクササイズプログラムとともにパワープレートを用いた運動を行った。
このプログラムの内容は以下の3種類の運動である。
・ダイナミックスクワット (図1A)
・パワープレートプラットフォームに座った状態でのダイナミックショルダープレス(図1C)
・パワープレートの前に立った状態でのリストカール(図1B)
このパワープレートトレーニングプログラムは時間(15秒~60秒) および頻度 (30Hz~40Hz) を増やしながら行った。 振幅は常にLow に保った。
第3群は対照群 (CON) であり、 運動は行わず、 通常のライフスタイルを続けるように指示した。両運動群 (RG 群とPP群) とも週3回8ヶ月間運動を行った。
図 1A スクワット
図 1B リストカール
図 1C ダイナミックショルダープレス(パワープレート上で座位で実施)
8ヶ月間トレーニング後に PP 群のすべてのアウトカム指標が改善した。 体脂肪率の低下幅はPP群のほうがRG 群および CON 群より有意に大きかった。 RG 群と PP 群のどちらでも、8ヶ月間トレーニング後に BFLTMは有意に増加(★)した。
<結果>
様々なトレーニングの効果を評価するために、研究開始時と8ヶ月後に測定を行った。 測定項目は、 体脂肪率、脂肪量 (kg) および bone free lean tissue mass(BFLTM、 kg) (筋肉量) であった。
PP群はCON群および RG 群より体脂肪率の低下幅が大きかった。 筋肉量は PP 群とRG 群のどちらでも増加した。 図2からわかるように、 PP群には明らかな脂肪量の減少傾向も認められるが、この減少は有意ではない。
<考察および結論>
本研究の重要な知見は、 閉経後女性の高強度レジスタンストレーニングプログラムへのパワープレートの追加によってレジスタンストレーニング単独より体脂肪率が大きく改善されたことである。
パワープレート群とレジスタンス群のどちらでもbone free lean tissue mass (BFLTM) が増加した。これは主に筋肉量の増加によるものである。
筋肉量の増加は重要なヘルスアウトカム(※2)であり、筋肉減少症 (加齢に関連した骨格筋の筋肉量および強度の変性性損失) の回復に寄与するとともに、 その結果生じうる運動性や自立性の低下、 転倒リスクの上昇などの関連する問題のリスクの低下にも寄与する。
(※1) bone free lean tissue mass(BFLTM):骨の重量を除いた、筋肉、内臓、水分、タンパク質などの「除脂肪組織」の質量のことで、筋肉量と水分、内臓の重さの合計に相当する。
(※2)ヘルスアウトカム:医療介入(治療・予防・看護・ケア)によって得られる患者の「結果・成果」
PowerPlate(パワープレート)研究結果集 その3
試験の結果、 全身振動の使用により前十字靭帯 (ACL) 断裂とその後の関節鏡下再建手術からの回復が促進および改善されることが示された。
本稿はGerman Magazine for Sportsmedicine – “Deutsche Zeitschrift für Sportmedizin”Vol. 56, No. 7/8 (special abstract issue), p.228で発表された試験の要約である。J.D. Bastian, W. Franz, Lutrina Klinik, Department of Knee Surgery, Kaiserslautern, GermanyACL 関節鏡下再建術後の全身振動トレーニングの有効性に関する実証試験
<結論>
- 全身振動群では術後に筋萎縮や筋力低下が認められなかったが、対照群では大腿筋の萎縮、 筋力低下および協調性低下が認められた。
- 手術から12週後、 全身振動群は対照群と比較して手術の結果に対する満足度が高かった。 また、 全身振動群の被験者はより力強く、 気分がよいと感じた。
- 全身振動群は対照群と比較して痛みの報告が少なかった。
- 試験の結果により全身振動トレーニング (クラシックタイプのパワープレートで実施) は、仕事やスポーツなどの日常活動に復帰するために回復力を促進し、筋力を取り戻したいと望んでいる患者に有意義な手段であることが示された。
大腿四頭筋の衰弱および萎縮は前十字靭帯再建手術からの回復期にある患者に共通する問題である。 本試験の目的は治癒過程における全身振動の効果を検討することであった。既報の試験結果を踏まえて、 本試験では全身振動トレーニングが下肢の伸筋および屈筋を同時に活性化させる結果、 関節の安定化、 筋力および循環に好ましい効果がもたらされるという仮説の検討を試みた。
<方法>
被験者16例を2群に分けた。 振動トレーニングに対する禁忌は全て考慮した。 全身振動群はパワープレートを従来の理学療法と併用し、 対照群はスクワットおよびランジを含む従来の理学療法のみを週に2~3回行った。全身振動群は術後3週目から、 従来の理学療法に加えて、10分間の全身振動プログラムを週2回10週間行った。全身振動群の患者はパワープレートを用いて大腿四頭筋およびハムストリングのマッサージエクササイズでウォームアップをし、次にスクワットとランジを行った後、ハムストリングのストレッチを行った。(図1を参照)
図1
大腿四頭筋のマッサージ
スクワット
ランジ
ハムストリングのストレッチ
脚周囲 (膝上10cmと20cm、膝下15cm)を術前に測定し、術後6週間および 12週間に再度測定した(図2を参照)。筋肉測定の客観的所見に加えて、質問紙を用いた疼痛知覚および 快適 well-beingを評価する主観的データを補足した。
図2
全身振動群では脚の筋肉組織の大きさおよび強度が維持されたが、対照群では筋萎縮と筋力低下が生じた(図3を参照)。
図3 脚周囲 【筋肉組織の大きさの変化】
<脚周囲について>
図3は全身振動群の筋肉の大きさおよび強度が維持されたことを示している。 対照群では大腿四頭筋群の平均的な筋萎縮が認められ、 術後12週間で全筋肉群の筋力を回復できなかった。 全身振動群では筋萎縮も筋力低下も認められなかった。
図4 質問紙 【痛みの軽減(左段)およびWell-being(右段)に対する効果】
※Well-being:身体的、精神的、そして社会的に、一時的ではなく「持続的に良好で満たされた状態」のこと(体や心、生活が満たされ、“幸せだ”と実感できる状態)
<質問紙について>
手術およびリハビリプログラムの前後に、 痛みの軽減および全般的な well-being の改善についていくつかの質問を行った (図 4 を参照)。 回答から、 全身振動群は対照群と比較して経験した痛みが少なく、回復も早かったことが明らかとなった。
ACL断裂からの回復時には、通常、 大腿筋および腓腹筋の萎縮ならびに膝の協調、 可動性および安定性に関する機能不全が起こる。 全身振動トレーニングにより筋肉の周囲長さの増大、 強度の保持、 協調、 可動性および柔軟性が回復する。 これは術後にパワープレートを用いた全身振動療法が、 関節の安定化とさらなる外傷の防止に役立つことを示唆している。 ACL または関節の手術後速やかに回復し、 日常生活、 仕事およびスポーツへの早い復帰を望む患者にとって全身振動療法は有意義な手段である。







